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2007年 12月 02日

栄養問題

また、巡ってきた日曜日、、、
喜ぶべき日のはずなのに、喜べない日。
ここで働くケニア人も”平日に仕事してる方がまし”と皆口を揃えて言う。

ところで、
熱研の同級生が小児の栄養問題に取り組んでいるので
今日はソマリア人の栄養に対する意識についての小話。

まずは、母乳に関して、
そもそも、ソマリア人は母乳の重要性(栄養面や免疫面も含め)の理解に乏しく、
通常、2〜3か月で授乳を終了する。中には1週間以内に授乳を終了する母親も存在する。
”おっぱい”は二つ備わっているが、片側しか使用しないという。

CARE(NGO)の活動による授乳の重要性の啓蒙活動のおかげで
重症な低栄養児の数は減少したが、未だに低栄養で入院する子供が後を絶たない。

多くの場合、母親が授乳を拒否している。
でも、母親を責める事は出来ない。
ただ、知らないだけなのだから、、、
”無知は罪にはならない”
ただ、知らないだけなのだから、

教育したらどうだろうか?
現に教育が施され授乳の重要性を認識する母親は増えた、
それでも授乳を拒否する母親はいる。
彼女達に罪はあるのだろうか?
これも、文化のGAPと受け止めるべきか、、、

低栄養の子供、栄養不良ではめったに死なない、
マラリアや肺炎にかかりあっという間に死んでしまう。

ここDadaabでも栄養プログラムは行われている。
栄養問題はどこでも流行である。

まず、Core programmeは以下の2つ。
SFP(Supplimentary Feeding Programme)とTFC(Theraputic Feeding Care)。
生後から、発育のスクリーニングを定期的に行っており、基準値以下の子供に対して
外来程度で管理出来る場合は、サプリメントを配布し栄養改善を行う。

入院が必要な程栄養不良な子供は、小児病棟の一角にあるTFCベットに入院して
経腸栄養などの特殊な栄養管理を受け、改善したら退院してSFPに組み込まれ
外来でフォローアップされる。

栄養専門の看護師も多く、栄養に対する関心がここでも見受けられる。

患者の栄養が大事なのは日本だけではない。世界的に流行っている栄養管理。

木を見て森を見ず


病気しか見てないで、患者の自然治癒力を良くしようという発想から栄養管理が
その大きな役割を果たすと裏付けられ、近年重要視されるようになった栄養管理。

でも、今度は”森を見て木を見ず”にはなっていないだろうか?
栄養障害の原因となる腸管内寄生虫のスクリーニングもマスケモセラピーも
行われていはいない。
(ただし、駆虫するとマラリアへの免疫が変化したりする事もあり、状況は複雑ではある。)

ただ、もっと上流でのinterventionも可能なはずである。
全然足りていないsecondary schoolの建設や、今後子供を産むだろう若い人たち
に向けての保健教育の充実もそうであろう、、、

生活習慣・食習慣や風習は数年では変化しない。

”Nutrition Support”これもまた対症療法の一つなのかもしれない。

ヘルスポストでのSFP外来の様子。
ここで、サプリメントの配給が行われる。
栄養問題_f0154565_174834.jpg

中身は、こんな感じ。
いわゆる、F100とかは入院患者にしか用いられない。
MSFが使用していたピーナッツクッキーも入院患者用でした。
栄養問題_f0154565_1750121.jpg

こちらが、SFPのカルテ、
目標体重が設定されそれまで週一回のフォローが行われる。
栄養問題_f0154565_17515317.jpg


by asaitei | 2007-12-02 10:37 | Dadaab


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